肉牛・牛の種類
牛肉にも色々な種類があるのをご存知ですか?購入する際のご参考にお役立てください。
「相州牛」「相州和牛」と「一般的な肉牛」の肥育環境の違い
牛の種類
日本国内では、約440万頭 ※の牛が飼われています。
多い種類は、肉牛では黒い和牛の黒毛和種が約160万頭、乳牛では白黒でお馴染みのホルスタインが約160万頭飼育されています。
お肉の美味しい和牛と言うと、上記、黒毛和種になりますが、その他にも3種類が和牛として認定されています。
その3種類は褐毛和牛、日本短角和牛、無角和牛です。
牛は偶蹄目ウシ科ウシ属の哺乳類です。
野牛や水牛の仲間も加えると、哺乳類の中で最も繁栄している動物といわれています。
日本国内で販売されている牛肉には国産牛肉と輸入牛肉があります。
国産牛肉には和牛肉とそれ以外があり、牛の種類(品種)でいうと、
和牛肉は日本原産の四品種に分かれています。
国産牛肉のうち和牛肉以外のものは、ホルスタイン種と交雑種の生産した牛肉です。
※ 環境省2008年統計(肉用・乳用計)より引用
1. 黒毛和種(JAPANESE BLACK) | 相州和牛
「相州和牛」も属する「黒毛和牛」は黒褐色、有角の肉牛。和牛の大多数を占める品種です。
毛色はやや褐色を帯びた黒だが、子牛の間は明るい褐色のものもいます。
日本に古くからいた在来種(中国地方や近畿地方の牛)に、外国の牛を交配し、品種改良し、昭和の時代に黒毛和種と認定された牛になります。
黒毛和種は肥育により、脂肪が筋肉の間に入る脂肪交雑が起こる品種で、これが、『霜降り肉』を生んでします。
この特別な肉質を持つ黒毛和種は、日本の和牛に代表される、松阪牛、神戸ビーフ、但馬牛、近江牛、前沢牛、相州和牛などは黒毛和種です。
現在は、日本全国で飼育されるようになっていて、各地特有の美味しい和牛を食べることができます。
2. 褐毛和種(JAPANESE BROWN)
黄褐色、有角の肉牛。
毛色は明るい赤褐色で「あか牛」「褐毛牛」とも呼ばれています。
体格が大きく、温厚な性質で、耐寒・耐暑性に優れているので、放牧に適しているという特性を持っています。
肉質は旨み味を豊富に含む赤身が多く、適度な脂肪分も含みます。
日本に朝鮮半島から伝わった在来種(九州、熊本)に、外国の牛を交配し、品種改良し、肥後牛となりました。
その後、褐毛和種と認定されました。
脂肪分が比較的少ないため、健康に良いと人気です。
3. 日本短角種(JAPANESE SHORTHORN)
赤褐色、有角の肉牛。
毛色は赤褐色だが濃淡があり、粕毛や白斑のものもあります。
放牧適性が高く、粗放な放牧でも野草を採食する能力が優れています。
体格は和牛の中では最大の牛です。
日本の東北地方で飼育されていた在来種(南部牛)に、外国の牛を交配し、品種改良し、その後、日本短角種として、認定されました。
寒さに強く、放牧に適している為、東北や北海道で飼育され、肉質は黒毛和種と比較すると、赤身が多い種類です。
4. 無角和種(JAPANESE POLL)
黒褐色、無角の肉牛。
毛色は黒毛和種より濃い黒色の無角種。
山口県でつくられた角のない品種です。
体格は黒毛和種とほぼ同じだが、体重はやや重くなっています。
日本に古くからいた在来種(山口県阿武町)に、外国の牛を交配し、品種改良し、その後、無角和種として、認定され、早く育つ牛として、一時期は黒毛和種以上の人気になりました。
その後、霜降り肉のブームで一時期飼育数が落ちましたが、近年の健康ブームで脂肪分の少ない赤身の多い種類として、人気が出ています。
5.交雑種(F1) | 相州牛
「相州牛」も属する「交雑種」は、肉質の向上や生産コストの改善を目的に交配され、「和牛種のオス」と「乳用種のメス」、「和牛種」と「外国の牛」を交配させた品種です。
交雑種は和牛種に比べ病気に強く、大きくなるのも比較的早いと言われています。
一般的に乳牛種よりは高価格帯ですが、和牛種と比較して、よりお求めやすい価格で提供が可能になりました。
6.乳牛
ホルスタイン種やジャージー種などが有名です。
オスの乳牛は主に食用として育てられ、メスは乳牛として育てられます。
また、乳が出にくくなったメス牛も食用として出荷されます。
大型で発育がよく、赤肉を効率よく生産する優れた能力があります。
この種類の雄子牛の大半は肉用となっています。
毛色はほどんどが白黒の斑紋です。
外国種(世界三大品種)
7.アバディーン・アンガス種
原産国はスコットランド。
毛色は黒色で角がありません。
サシが入りやすく肉質で、皮下脂肪が厚く、成長は早く、アメリカの肉用牛の約40%を占めています。
オーストラリアでも使用。
8.ヘルフォード種
原産国はイギリス。
アバディーンアンガス種と並んで、世界で最も飼育頭数の多い肉用専用種の1つです。
毛色は赤褐色で顔から胸、腹にかけては白色という特徴のある風貌です。
日本の牛の祖先とも言われております。
アメリカ産、オーストラリア産
9.ショートホーン種
原産国はイギリス。
角が短いのが特徴。
毛色は赤白糟毛が多いが、赤単色、白単色のものもあります。
体格は比較的小型で肉付きが良いです。
経産牛・去勢牛とは
オス牛は、去勢された『去勢牛』と去勢されていない『若雄牛』に、メス牛は出産をしていない『未経産牛』と仔牛を産んだ『経産牛』に分類されます。
また、乳牛としての役割を終えて食用となった乳用種は『廃乳牛』に分類されます。
肉質としては、
- 未経産牛
- 去勢牛
- 若雄牛
- 経産牛
- 廃乳牛
の順に良いと言われています。 良くオス牛よりもメス牛の方が肉質がきめ細かく柔らかいと言われています。